こんにちは!NPO法人HIKIDASHI代表の大石です。
私達の講演は基本はセミオーダーのような形で、綿密な打ち合わせをしながら構成を考えていきます。
ですので、同じ学年だからと言って、毎回同じ話をするとは限りません。
時には同じ学校の同じ学年であったとしても、年度によってその時の先生方と打ち合わせをしながら内容を調整したりします。
いつも、「どんな性教育を受けられるかは『運次第』」という話をしているくらい、その学校のその年度によって学べることに差があるので、少しでもその差を無くしていくことにも尽力していきたいのですが、
でもやはりその年度によって、子ども達のカラーが違っていたり、「ちょっとこのあたりに重点を置いて伝えてほしい」ということもあったりするので、そのあたりは先生方と調整をしながら進めていきます。
例えば、先日は小学6年生に2コマ講演をさせていただきました。
高学年の場合は、まず第二次性徴についてきちんと押さえます。
教科書では、小学校4年生の保健体育で習っていることですが、それだけではなかなか自分事として落とし込むことが難しいことが多いので、特に「生殖能力を持ち始めているんだよ」という認識をきちんと持てるように、月経や射精について詳しくお話しすることが多いです。
その上で、今回の学校は、「ナプキンの捨て方が雑で、養護教諭が指導してもなかなか改善せず、掃除の時に不快な思いをすることが多いので、この機会にもぜひ指導してほしい」との依頼があり、
この学校が応募されていたポケモンパッケージのナプキンをみんなに配布することになりました。

※ちなみにこちらのリーフレットには、私も企画協力させていただいています。
⇒詳しくはこちら
ナプキンは性別に関わらず全員に1つずつ配布しました。
まず私が開封から捨て方まで一通り説明した後に、実際に子ども達にも触ってもらったのですが、
最初の段階から「え?え?どうやって開けるん?これでいいの?」と恐る恐る開封する様子が見られました。
確かに、これまですでに何十年、何千回とナプキンを交換してきた私にとっては当たり前のことも、初めてだと開け方ひとつ戸惑うものなのだなと、私も初心に帰る思いでした。
そして、捨てる際の処理の仕方も、戸惑ったり教え合ったりしながら、最終的にはみんなその方法を習得できたようでした。
これまでにも指導を受ける機会はあったようですが、やはり見るだけに留まるのと実際にナプキンを触りながらやってみるのとでは理解度は全然違うようで、女子児童から「きちんと習えて良かった」という感想があったようですし、
自分には月経が起こらない男子児童にとっても、月経を身近なこととして捉える良い機会になったと思います。
また、他にも様々な月経用品があることや、受診のめやす等も紹介しました。
この日はオープンスクールだったため、保護者の方に一緒に聞いていただけたことも貴重な機会になったのではないでしょうか。
国際セクシュアリティ教育ガイダンスにも、
「月経は一般的なことで、女子の身体的発達の自然な一部であり、秘密やスティグマとして扱われるべきでない」と明記されており、
・月経用品やその他の月経用品の入手方法、使用方法、捨てる方法を説明する(知識)
・月経期間中も女子が快適に感じるため積極的で支援的な方策をはっきりと示す(スキル)
というような学習目標が書かれています。
普段はなかなかここまでお話しできる学校は少ないですが、2コマ確保していただけたことと、学校からのご要望もありじっくりと指導ができました。
子ども達のこれからにとって良い機会になったことを願います。
2コマ目の内容については次の記事に続きます。