こんにちは。主に宮城県内を中心に、NPO法人HIKIDASHIの性教育講師として活動している山谷真子です。
先月、福島県特別支援教育研究会健康教育専門部研修会で、性教育講演会をさせていただきました。
テーマは、「子どもたちが自分らしく生きるための「生」教育 〜幼稚部・小学部から高等部まで、つながりのある包括的性教育を〜」
まだまだ一般の小学校、中学校、高校でも、十分な性教育が学校で行われているとは言えないのが現状です。
まして、地域の小・中・高と、連携して子どもたちに性教育を届けるというのはまだまだ難しいところも多いです。
しかし、特別支援学校では、先生方が性教育の重要性を理解し、学校全体で取り組むことができれば、幼少期、または就学時から高校卒業するまでの間に、何度も繰り返し、子どもたちに伝えることができます。
これは、特別支援学校の大きなメリットであると、私は考えます。
先生方には、「特別支援学校での実践は、つながりのある性教育ができるチャンス」と捉え、自信をもって実践してもらえるよう、お話させていただきました。
講演会後にいただいた先生方からのご感想を紹介しながら、今回の講演会を振り返りたいと思います。
「性教育」の視点が広がった
🌸性教育を「生」教育と捉え、人権やよりよい関係づくり、自己決定を育てるものという考えに触れ、目の前にいる子どもたちに「どのような力を育てたいか」を考えて、関わっていくことの大切さを実感した。
🌸特別支援学校において性に関する指導は非常に重要であると感じており、今回の講演会は子どもへの伝え方やポイントを学ぶことができました。
🌸過去に性教育の内容を作成した際、内容について攻めすぎなのではないかと言われた経験があったが、今回いただいた講演をもとに賛同を得やすい説明ができるようになるのではないかと思った。
というご感想をいただきました。
性教育というと、プライベートゾーンや性被害を防ぐための知識などを思い浮かべることが多いかと思います。しかし、性教育はそれだけではありません。
自分の気持ちやからだを大切にすること。
相手の気持ちやからだを尊重すること。
自分で選び、決めること。
人とよりよい関係をつくっていくこと。
そうした「自分らしく生きていくための力」を育てることも、性教育の大切な役割です。
「ふれあい=ダメ」ではなく、「心地よいふれあい」を
🌸ついつい距離感が近いと禁止のイメージが先行してしまいがちだが、幼少期の”心地の良いふれあい”の経験が大切と話されていたことが印象に残った。
🌸幼児・児童への性教育をする中で、先生たちへも届くような内容にする必要があるなと思いました。バウンダリーを守ることについて、先生たちがお手本を示せるようにしていきたいと思います。
🌸1学期プライベートゾーンやバウンダリーについての話を小学部向けに実施しましたが、パーソナルスペース(距離感)を意識させる内容になっていたことに気付きました。相手にもよりますが、ふれあい自体がダメなのではなくて「心地よいふれあい」をするためにどうしたらよいか、ということを改めて伝えていくようにしたいです。
というご感想もいただきました。
「これはダメ」「ここには触らない」と禁止するだけではなく、
自分も相手も心地よくいられるにはどうしたらいい?という視点を持つこと。
そして、そのためには相手の気持ちを確認したり、「やめて」「今は嫌」と伝えたりすることも大切です。
講演会の中では、「ふれあいサイコロゲーム」や、ロールプレイをしながら自分の気持ちを伝える練習をご紹介しました。
「NOと言っていい」のは、子どもだけじゃない
🌸「NO」という権利を尊重する、スキンシップには同意が必要という話の中で、子どもたちにはそのことを伝えていましたが、大人側でも「NO」と言っていいんだと気付くことができました。なんとなく大人は我慢しなきゃいけないような気がしていたので、指導する側も自分の気持ちを大切にすることが必要だと思いました。
🌸幼児児童への性教育をする中で、先生たちへも届くような内容にする必要があるなと思いました。バウンダリーを守ることについて、先生たちがお手本を示せるようにしていきたいと思います。
という、印象的なご感想もありました。
子どもの「NO」を尊重するためには、まず大人自身が自分の「NO」を大切にできることも大事です。
子どもたちに「相手の気持ちを尊重しよう」と伝えるなら、大人自身も子どもの気持ちや意思を尊重する。
そんな日々の関わりそのものが、子どもたちにとって大切な学びになっていきます。
「何を教えるか」から「どんな力を育てたいか」へ
🌸性教育は、特別な支援が必要な子どもたちにとっても大切だということを再確認できた。これまで、高校での勤務経験しかなく「目の前の高校生に対して何を伝えたいか」を考えて性教育をしてきたが、特別支援では育ちのつながりも考えながら繰り返し指導していくことも意識したいと思った。
🌸日常生活のあらゆる場面で伝えていくことが大切との話しから、養護教諭として保健室でどんな話や声掛けができるか考えながら、児童生徒と接していきたい。
という声もありました。
性教育は、保健体育の時間や特別な授業の時間だけに行うものではありません。
毎日の生活の中にある、さまざまな場面が「性教育」につながっています。
だからこそ、「この子に、どんな力を育てたいだろう?」という視点を持って、日々の関わりを積み重ねていくことが大切なのだと思います。
そして、養護教諭の先生方だけが担うのではなく、学校全体で取り組んでいただけたらと思います。

今回の講演を通して、先生方からは「性教育についてもっと知りたい」「次の授業に生かしたい」という声もたくさんいただきました。
講演で紹介した書籍をさっそく購入された先生や、次回の授業のアイデアが増えたという先生も。
性教育は、何か特別なことを「教え込む」ものではなく、子どもたちが自分の人生を自分らしく生きていくための力を、日々の関わりの中で一緒に育んでいくこと。
今回の時間が、先生方にとって、そしてその先にいる子どもたちにとって、そんな学びのきっかけになっていたら嬉しく思います。
貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
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